にゃんこ男子は鉄壁を崩す


「すごい星ですね」


 私が星たちに目を奪われているのに気づいた彼が話しかけてきた。


「……そう、ですね」

「恋人同士なら『君の方が何倍も綺麗だよ』なんて言うんですかね?」

「ハハ……どうでしょう」


 この状況で冗談言われても全然面白くないし。当たり障りのない私の答えに小宮さんは「そんな警戒しなくても取って食いやしませんよ、お姉さん。ホントに俺、下着ドロじゃないですから。彼女の洗濯物、飛んじゃったんで取りに来ただけです」と言った。


 なんでだかわかんないけどちょっとカチン、ときた。『彼女』ってとこに腹がたったのか取りに来た『だけ』ってとこに腹が立ったのかよくわかんない。でも、すごく悔しい。


「わかってます。どうせ……私の胸はその丼ぶりブラジャーの彼女とは比較にもならないぐらい小さい胸ですから」


「丼ぶりって……クス」


 クス、と笑ったその笑みに馬鹿にされているような感じがした。


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