頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
楽しみに待つこと金曜日。
あたしの楽しみは滲み出てるみたいで、朱音にも「楽しそうだね~」と言われたくらい!
放課後、風真の後ろを着いて行き手をギュッと自分から握ってみる。
「紬から握ってくれるなんて珍しい~。幸せだわ」
「だって風真が繋いでくれないからだよっ」
「素直じゃねーなっ!」
そう言ってあたしの手を引っ張り学校を出た。
いつもの帰り道じゃない方向に歩いて行くから不安になるし……。
だけど、だんだんと聞こえてくる海の音。
静かな波の音が心地よい。
「海行くの?」
「そうそう。夏休み遊べなかった埋め合わせ!」
「そっか!夕方の海ってキレイじゃーんっ」
「この時間帯狙ったんだから当たり前だろ~」
得意気な顔であたしを見下ろす風真。
あたしは砂浜に着いた瞬間、ローファーを脱ぎ捨てソックスをも投げ捨てる。
夏休み遊べなかった分の気持ちが一気に弾けるんだっ!