やさしい記憶

 あたし

 朱鳥くんに
 
 気を使われてるんだ?



 美里とのことはもちろん込みだから

 当たり前なんだけど……。





「……」





 ヤだな、これじゃあ

 あたしのが子供みたいじゃない?





「……」




 
 いやコドモ

 だけど、さ……。




 
「すっ、スゴく嬉しいよ!! ありがとう朱鳥くん」





 ワザと明るく言ってみる。



 朱鳥くんは目を細めて

 静かに笑った。





『郁ちゃんの誕生日プレゼント見て来なよ、店の外のベンチで待ってる』



「うん、ありがとう」





 笑顔で朱鳥くんの背中を見送って

 郁のストラップを選びに戻る。



 でも

 郁のはだいたい決まっている。



 あたしは

 ダークシルバーに似合う

 色とデザインのストラップを

 急いで探した。



 お返しくらい出来る

 オトナの女なトコロ

 ちゃんと見せなくちゃっ!!






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