やさしい記憶


 ここに来るまでの間に

 ウキウキで開けて

 携帯に付けたんだ。





「でもアタシは、こっちのが好きだなぁ」



「うん、美里っぽいよね、それ」



「ふふふ…♪ ありがとう、2人とも、今日の結果は、また引き分けね」





 そうだった

 また、引き分け……。





 あと3回。





 でも

 あたしが勝ったら

 朱鳥くんはどうなるんだろう?





「トコロでっ!!」





 美里が

 声のトーンをガラリと変えて

 あたしを覗き込んできた。





「えっ?」



「真帆ちゃん、朱鳥くんに何か渡すモノがあるんじゃな~い?」



「え!?」





 何で、そのことを?



 買ったはイイケド

 渡せていなかった

 ダークシルバーに似合うストラップ。




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