やさしい記憶
「……」
顔を上げると
わかってるよん、て
ニヤニヤ笑う美里と目が合った。
うっ……
知らないっ!!
と、言いたいけど
顔がドンドン熱くなる。
「◎〒☆+▲∞◇◼~!!」
無理だ
美里はダマせない。
観念して
カバンに入れていた
ブルーのリボンの袋を取り出す。
「じ、実は、買ってもらったお返し、買ってたの……」
恥ずかしいから
朱鳥くんの目の前の
テーブルに置いてみる。
「えっ!? ……俺に?」
「……うん」
うなずいて
チラッ、と
朱鳥くんを見ると……。