バース(アイシテルside伸也)


仕方なく、俺は女を担ぎ上げshotまで歩いた。



それにしても軽いな。



何食って生きてんだか。



一向に目を覚まさない女を部屋へと連れて行き、ソファーの上に寝かせると猛が慌て部屋へと入ってくる。



「どうした?」



「俺の学校の制服だったんで……」



小さかった猛は中学へとあがり、敬語なんか使うようになっている。



「知ってる奴か?」



「あ、亜美ちゃん……」



猛は切なそうな顔をして女を見つめる。



「伸也さん……もしかして亜美ちゃん……」



「あぁ、襲われたみたいだ」



俺の言葉に猛はギュッと女の手を握った。

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