バース(アイシテルside伸也)

「ありがとう」



「shotに行く前にドライブでもするか?」



「うん」



今日の夜は恒例の卒業パーティーがshotで開かれる。



俺のお別れ会を兼ねているらしいが、俺は出席するつもりはない。



沢山の奴らに見送られるなんて、性に合わないからな。



どこへ向かうわけでもなく、亜美との最後の時間を噛み締めていた。



“shot”は遼に引き継ぎ、マンションはこたぁや猛のためにそのままにしておく。



次はあいつらがあいつらなりに、この街を変えて行く番だ。



少しでもその手助けになるのなら……



使わないマンションを使ってもらえることは有難い。
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