婚カチュ。
――僕の片想いです。
男性たちは、当然の振る舞いとして女性であるわたしを立ててくれているだけなのに。
なんだか恐縮してしまい、広瀬さんの傍らで縮こまっていると、主催者の男性は鷹揚そうな笑みを浮かべた。
「広瀬くん、お母様はお元気ですか」
「ええ、おかげさまで」
「それはよかった。きみも大変だろうけど、負けないように頑張るといいよ。何かあったらいつでも僕を頼ってくれて構わないから」
「ありがとうございます」
頭を下げる広瀬さんの肩を軽く叩き、ホストの男性はわたしに向き直った。
「本日はお越しいただきありがとうございます。どうぞ楽しんでいってください」