婚カチュ。



……気のせい?

なにか悲痛な叫びを受け取ったような気がしたのに。





 

壁も床も柱もオフホワイトで統一された会社のロビーを抜け、ぼんやりと曖昧な光がそそぐ夜空の下に出る。

なんとなく胸がつまる感覚を抱いて、月明かりの通りを、わかれ道が来るまで後輩と並んで歩いた。











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