@恋。
「うわー、凄いキレイだね」

「うん…」

やっぱり、言えない。


もし光くんに恋心がばれてしまったら…きっともうこんなふうに笑いあえない気がするから…。

だから、言わない。


「ねえ高山さん」

花火を見上げながら、光くんがぽつりと私の名前を呼んだ。


「高山さんは、強く願えば相手に想いが届くと思う?」

ゆっくりとこちらを向くと、光くんはじっと私の瞳を見つめた。


いきなりの質問に、少し戸惑ってしまう。

何も答えられない。


すると光くんは言葉を続けた。


「気持ちは…黙ってると伝わらない。恋愛もそうだし、感謝の気持ちもそうだよね。やっぱり言葉でも文字でも…どんな形でもいいから、気持ちは伝えるべきなんだと思う。それが中々できないから、みんな悩んだりするんだろうけど…」

「…そうだね」

その通りだと思った。


今、光くんに言えない想いだってそう。


それに……。

パパのことを思い出した。

急に泣きそうな想いが込み上げる。

涙が出そう…。
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