銀髪姫と不良幹部
「…本当にいいのか?最低2年は…」


俯きながら言っていると、史音によって顔を上げさせられた。


ド、ドアップ…っ。


心臓がいくつあっても足りねぇよっ!


「2年でも5年でも待ってやる。そのかわり、戻ってきたら覚悟しろよ?」


史音はそう言うと、ニヤッと妖しい笑みを浮かばせた。


お前、本当小悪魔だな。


表の史音は天使で、裏の史音は悪魔でぴったりだな。


「史音…っ」


2年でも5年でも…か。


史音、お前は本当に強いな。


出会った頃より断然、心が強くなった。


私も強くならねぇといけねえ。


あいつと再会するまでにはがんばろう。


強くなれるように。


…戻ってくるのは、2年後かもしれねぇし、5年後かもしれねぇ。


だけど私は史音を信じて頑張るよ。


「…ああ。覚悟しとくよ」


いや、本気で覚悟することにするよ。


相手は史音だし。


あの妖しい笑みだ。


何をされるかわかんねぇしな。


逃がしてはくれないだろうし。

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