倫敦市の人々

そんな事を呟く闇珠の首に。

「……」

ヒタリと。

ラミアの手刀が突きつけられた。

「美弦ってだぁれ？連れ去ってどうするつもりだったのかしらぁ？」

相変わらずの焼け焦げ、朽ちて、煤けた洋服。

片手にトマトジュースの缶を持ったまま、ラミアは微笑すら浮かべている。

いつの間に闇珠の背後をとったのか。

これだから何百年も生き永らえた吸血鬼は油断できない。

「その美弦って子も、連れ去ってジャックみたいに鎖で雁字搦めにするつもりだったのかしら？そんな歳でSMごっこなんて、おマセさんね」

「私子供だから、よくわかんない♪」

肩越しに振り向き、闇珠は愛らしく笑って見せるが。