倫敦市の人々
ところで、こんな早朝に何をしているのかというと、フミは団員達の朝食の為の買い出しに来ていたのだ。

倫敦市の市民広場では、朝早くから朝市が開かれている。

新鮮な野菜や果物、魚や肉などが安価で手に入る。

加えて味も申し分なし。

大食漢揃いの団員を抱えるイグレシアサーカスの曲芸師兼団長(仮)としては、これを利用しない手はなかった。

「よっと…」

大きな紙袋を二つ、胸に抱き締めて歩くフミ。

大荷物過ぎて前が見えない。

二つの袋の隙間から、前を覗き見ながら歩く。

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