もう一度、あの夏にもどれるなら。
旅行日記・最終日、午後~
・・・莉子side・・・
どうしてこうなってしまったんだろう?

私の目の前には子供みたいに声を上げて泣いてるあの子がいる。

「やっと…やっと…」って言ってるから、きっと嬉し泣きだろう。

…ふと、私の手に水が落ちているのに気付いた。

雨は…降っていない。晴天だ。あの子の涙でもない。

……私、泣いてるんだ。 そう気づくまで少し時間が必要だった。

コレは多分後悔と懺悔の涙。あの子の気持ちに気付いて止められなかったことへの後悔と…そ
れによって私の元から去ってしまった仲間に対する、懺悔の涙。

…どうすればよかったのかな? ふっとこの旅行の事を思い出す。

最初は…ずっとこの時が続けはいいとさえ思っていたのに――――
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