溺愛†マドンナ
静帆が私の顔を覗き込む様に尋ねるけど、私は何も返さない。


と言うかボーーーッとレベルが最高レベルの私の耳に、静帆の声はちっとも聞こえていなかった。


「世那……世那!!聞いてんのっ!?」


「ミャッ!?」


大声ではよに呼ばれて、ようやく意識を取り戻す。


2年A組の教室で壁に寄りかかって話していたせいで、壁に頭を軽く打ってしまった。


い、痛い……(涙)


「まったくもう!世那今日もまたボーーッとして!一体どうしたって言うのよ?」


後頭部を擦る私に、静帆の呆れた声が飛んできた。


私…最近ダメだ。
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