溺愛†マドンナ
パッと顔を動かすと、秀悟が扉の所に立っていた。


私は急いでイスから腰を上げる。


「秀悟………」


「ごめん世那。部活の話し合い長引いて………ヒマだっただろう?」


私が呼びかけると、秀悟は申し訳なさそうに私の所まで歩いて来た。


優しくしないで………秀悟。


もう私は、アナタに優しくされる権利なんて微塵も無いんだから――――……


「ヒマなんかじゃ……なかったよ」


だってずっと、色んな事考え過ぎて頭が痛くなる位考え事していたもの。


本当に時間の流れなんて、全く気になっていなかった。


「そっか……」
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