溺愛†マドンナ
【春の王子と冬の王】
昔から知っていた幼なじみの変貌振りに頭がついていけない私の叫びが、廊下に響いた。


ホ、ホントにどうしちゃったの?秀悟………


不良嫌いだとは知ってたけど、こんなに怖いオーラを纏って他人に怒鳴ってるのは、見た事無い。


「へぇ……品行方正な春の王子も、人前で怒鳴るんだ」


「そりゃ………人間には喜怒哀楽ってものがあるからな」


緋ノ戸君と柿出君がポツポツ呟いている中、剣君は秀悟の左手に止められた右手で、ザッと前髪を掻き上げた。


「そんなに怒るなよ。皆ビックリしてるぞ?」


「お前には……関係ないだろうっ」
< 61 / 503 >

この作品をシェア

pagetop