レイプ
「おまえも早く乗れ」
威嚇するように言われたが、澪は動けなかった。
立てるなら、とっくにそのまま逃げ出している。
虚ろな目でアスファルトを見つめていると、澪の身体が浮いた。
乱暴に車内に放り込まれる。
唇を切って血を流して気絶している先人の腹の上に乗せられたまま、やがて車が動き始めた。
運転席から携帯が飛んできて背中に当たった。
拾い上げると、液晶画面に残された短いメッセージが目に入った。
「……送信しました」
――フジタ。
澪は運転席からの笑い声に、生まれて初めて憎悪を抱いた。
