レイプ

「――金は?」

 男が顎で言葉を促すと、呻くように背後の声が答える。

「予定通り次のサービスエリア、T3」

「警察は?」

「通報していないそうだ」

「了解。取り合えず、予定通りだな。じゃあ乗れよ。あ、その前に写真だな。このガキの携帯を貸せ」

「なに?」

「早くしろ、うかうかしてると車が来るぞ。人に見られてもいいのか?」

 言いながらも男は車外に降りてきて、背後の男から携帯を奪い取る。
 ぐったりして動けない澪を見て、鼻で笑った。

「そのまま支えていろ。写り込むから動くなよ。一応上半身だけな。それで充分意図は伝わるだろ」

「おい、止めろ」

「動くなよ。駄々を捏ねるなら、路上で全裸にして送りつけるぞ?」

「こんなやり方、いくらなんでもっ」

「やっちまったもんは同じだろ」

 今度こそ、澪の身体が落下した。

 あっけなく濡れたアスファルトに腰を打ちつけて倒れるとともに、ゴッとなにかを打つ鈍い音が響く。

「痛て、殴るなよ。どこまで甘いんだ、てめぇは。金の受け渡しにサツが動いてないって本気で思ってんのか? こいつは虫避けだよ、うるさい働き蜂がブンブン音を立てて追ってこないようにな」

 男が言うや、さらに鈍い音がした。

 荷物かなにかを運ぶように、どさりと車の中に仲間を投げ入れるのが、そろりと半目を開いた澪に見えた。
 澪の身体にパッと光が散る。

 おそらく写真を撮られたのだろう。

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