初恋の君は俺様エース
最後の試合。
接戦だった。
1つのシュートで勝敗が決まる。
残り時間はあと1分。
私は、あの日からずっと藤崎を目で追うようになった。
今日もまた、藤崎を追う。
今は、藤崎がボールを手にしていた。
残り時間はもうわずか。
今入れなければ、負けてしまう。
藤崎。
絶対、入れないと許さない。
「藤崎ーっ!やれーっ!!」
隣で突然、叫んだ私に驚く恋歌がいた。
私でも驚いた。
こんなにバスケに夢中になっていたなんて。
こんなに藤崎に夢中になっていたなんて。
藤崎はボールを放った。
一直線に。
ゴールのほうへ。
ピィ─────────
「「おぉーっ!!」」
ブザービーター。
ブザーと同時にボールがゴールに落ちた。
「しゃーっ!!」
会場に藤崎の声が響き渡る。
入った。
勝ったんだ。
日本一になったんだ。
私は、走り出していた。