信愛
3次会の途中で愛ちゃんは帰宅し、残されたあたしたちは、4人で4次会へ。

4次会ではずっととし君ののろけ話を聞かされた。

今日の合コンは大成功!

思惑通りに終了。

4次会が終って、あたしたちがお店を出た時にはすでに、朝の5時をまわっていた。

初夏の夜明は早く、オレンジ色の朝日が街を包み込み、ライトブルーの空が一面に広がっていた。

あたしは家の方向が同じということで、とし君とタクシーに乗った。

帰りのタクシーの中で、あたしの携帯が鳴った。

(こんな、朝早くに誰?…まさか、旦那?!)

そぅ思いながら、恐る恐る携帯を見ると、登録されていない番号からの着信。

心当たりもなかったが、とりあえず電話に出た。

凌君からだった。

凌「タクシーか? 俺の番号だから登録しとけ  よ。」

そっけないくせに、何処か強引な凌君。

里緒菜「うん。わかったぁ。」

凌「また、連絡する。」

と、言って凌君は電話を切った。

あたしの電話のやりとりを見て、隣にいたとし君は察したのか、ニヤニヤしている。

途中で、とし君がタクシーを降りて、あたしは朝日に照らされながら、家に着くまでの間、短い眠りに着いた。

まるで、魔法にかけられたような…そんな感覚だった。

とし君と愛ちゃんをくっつけるために、たまたま、集められた4人。

凌君は、あたしととし君が合コン開催を決める数日前に、とし君と飲みたくて連絡してきたと聞いた。

それならと、とし君に今回の合コンに狩り出されたらしい。

そんな偶然があって、あたしと凌君は出逢ってしまったんだ。




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