女装男子VS男装女子。
そう言って制服を受けとると、蓮はすぐに出て行った。


さっそく制服に腕を通す。

ブラウス、スカート、カーディガン、リボン、ブレザーの順で着替えていく。

「……ピッタリじゃん」

部屋にある鏡の前にたって見ると、大きすぎず小さすぎない、丁度いいサイズの制服があたしの身を包んでいた。

最後に用意されていたハイソックスをはき、あたしの身仕度は終了した。

髪の毛を適当に解かし、あたしは部屋から出た。

蓮がドアの横の壁にもたれ掛かるようにして立っていて、それさえもなんだか様になっていた。

「服、着替え終わったんだけど」

「おー……似合うじゃん」

「あんたに言われても嬉しくないけどありがとう」

本当はスッゴく嬉しいけどね。
素直にそう言うのは恥ずかしいし……。

「あっくんは?」

あたしが聞くと、右隣の部屋のドアがガチャリと開いた。

眠いのか、ボーッとしたあっくんが部屋から出てくる。

あたしと蓮がいるのに気がつくと、
ふにゃっ……と笑って

「おはよう桃。あと神宮も。……制服似合ってるね。可愛いよ」

「ありがと、あっくん。おはよう」

「…オレはついでかよ。おはよう、五十嵐。もう支度はできてるな?」

「うん。バッチしだよ」

あっくんの言葉を聞くと、蓮はケータイで車を呼んだ。

「朝ごはんは、車で食べてくれ」

「わかった」

「じゃ、車に行くぞー」

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