女装男子VS男装女子。
それがあたしにはショックだった。

しかも、蓮はモテるから、蓮の周りには必ずと言っていいほど女の子がいる。

今だってそうだ。

蓮は女の子に囲まれていて、
楽しそうに喋っている。


「……なんであたしと蓮はクラスが違うのよ」


不満たっぷりの声で誰もいないのをいいことに呟く。

まさか、あたしがこんなに蓮のこと好きだったなんて。

蓮とクラスが離れて、初めて知った。


女の子が笑いながら蓮の腕に絡みつくのが見える。
それを見て、胸がズキンと痛むのが分かった。


蓮にそんなにベタベタ触れないでほしい。


あたしの彼氏でもなんでもないけれど、そう思ってしまう。

でも、そんな願いは届かずに、女の子は蓮に馴れ馴れしく触れるばかり。


悲しくて、見ていられなくて、

涙がたまって来た。


「……ふぇっ……」


たまった涙は溢れて、頬をゆっくりと伝っていく。

こんなことで泣きたくなんてないのに。
嫉妬なんてしたくないのに、止めることができない。


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