女装男子VS男装女子。
そしてーー

チュッ


今度は頬っぺにキスを落とした。


「な、なぁーっ!?」

「うるせぇな。口塞ぐぞ桃」

そのセリフにぴたっと静かになるあたし。


こ、これ以上はあたしが持たないっ……!


「チッ……静かになりやがった」


「あ、あた、当たり前でしょ!」


そう言って蓮を睨み付ける。


「おー怖い怖い。わかったよ、もうしなければいいんだろ」

「ついでにあたしから離れて」

「りょーかい」


パッと蓮が離れる。
そのことにホッとして、あたしは胸を撫で下ろす。


「つーか……五十嵐に感謝しねぇとな」

「あっくんに?なんで??」

「五十嵐のおかげで桃と付き合うことができたんだから」


あたしは蓮からあっくんのしたことを全部聞いた。


「…あっくん……」


あっくんの優しさに、胸が熱くなる。

「後で、一緒にお礼しに行こうな」

「っ、うん!」

あたしは蓮に向かって頷いた。


あっくん、本当にありがとう……

後で蓮とお礼を言いにいくけど、あたしは心の中で一足先にお礼を言った。

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