君が嘘をついた理由。
察した宇戸くんは
何も悪くないのに。
申し訳なさそうな顔をする。
「お母さん、大丈夫だった?」
「…眠ってて起きないけど、安定してるって」
ただ、起きないだけ。
「って、なんで知ってるの?」
何気なく聞かれたから、答えてたけど。ふと気付く。
宇戸くんは普通科。普段普通科の人と関わりはないけれど、宇戸君とは同じ中学出身だし、3年の時は同じクラスだったから、今でも会えば話す。
だけど、お母さんの話は、してない。
お母さんがああなってすぐに学校に行くのをやめたから。
それに、そんなに仲が良くない人にぺらぺら家庭の事情を話したりもしないし。
同じクラスの人は口止めしてたわけじゃないから先生や理香から聞いててなんとなく察してるだろうけど…
全く科の違う宇戸くんにまで情報がいってるとは。
「あぁ。塚寺から聞いたんだ」