君が嘘をついた理由。
--そういえば。
思い出した。
ふと、端の方に置いてしまっていた記憶を思い出す。
そろそろ帰らなければ。理香が帰る前に部屋には戻っておきたい。
椅子から立ち上がれば、正面の宇戸君の視線も次第にあがる。
「私そろそろ帰るね」
「えっ、」
「心配してくれてありがと」
軽く頭を下げて、エレベーターの方へと向かおう-
「ちょっと待てよっ」
ぐいっと
ふいに捕まれた腕。
前に行こうとしていたのに、逆方向へと引っ張られて、反動で数歩後ろにふらつき下がる。