君が嘘をついた理由。


まだ、ミルクを飲んでいないのに。



顔が熱くなるのを感じた。と同時に表情を見られるのが嫌で咄嗟に下を向く。


成人男性が、面と向かって、女神なんて言ってくるとは…!

それをまともに受け止めようなんて思ってない。


自分は、女神なんかじゃない。


ただの廃れた人間だ。完全に名前負けだ。



早川さんは口説こうとしている訳でもない、目の前の陽太にそんな下心は感じない。



ただ、思ったことをそのまま口にしているだけ、というのは顔を見ていれば分かった。


だけど、言われたこっちは恥ずかしいのだ。





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