極上の他人


「そんな、横暴です……」

反論する私をじっと見つめる輝さんの瞳には、力強い思いが感じられてそれ以上何も言えなくなった。

けれど、その理由がよくわからない。

私が輝さんの側から離れることを不安に思っているような切羽詰まったものも感じられて、ふと呟いた。

「輝さん、何かあったんですか?」

何かあったのかと最初に聞いたのは輝さんだけど、何かあったのは輝さんの方ではないのかと思い不安になる。

すると、輝さんは私の思いを肯定するかのように、きゅっと口元を引きしめた。

あ……やっぱり、何かあったんだ。

「史郁……」

輝さんがゆっくりと口を開いたちょうどその時、スマホの着信音が響いた。

私のカバンから聞こえたその音に、慌ててスマホを取り出した。

焦っていたせいで、誰からの電話なのか画面で確認する間もなく出ると。

『史郁?』

聞き慣れた声が聞こえた。

「誠吾兄ちゃん!!どうしたの?夕べも電話で話したのにどうしたの?」

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