極上の他人
途切れ途切れ、おまけに小さすぎる声が輝さんに届いたのかどうかわからないけれど、私にはそれが限界。
今まで抱え込んでいた感情が、ゆったりと溢れ、零れ落ちるように言葉となった。
「輝さんが、好き、なのに……」
告白に違いない言葉を呟いたんだと言い終えた途端気づいたけれど、恥ずかしがることも、慌てることもできないほど、私の気持ちはいっぱいいっぱいだ。
好きだと告げた自分の言葉はまるで自分の言葉ではないようだと、どこか他人事のように聞こえた。
素直な気持ちを口にして放心状態になった時には、涙も何も浮かんでこないんだとも感じた。
そして、額を輝さんの胸に押し当てたまま、そっとその背中に両手を回し寄り添った。
「輝さん、好き」
目を閉じて何度目かの告白の言葉を呟いた途端、輝さんの口からは低い声が漏れ、一瞬のうちに抱きしめられた。