極上の他人
輝さんの鎖骨に唇を這わせ、くすくすと笑う。
こうすると、いつも輝さんが私をぎゅっと抱きしめてくれるから。
今も、「もう少し、待て」と言って、私を抱えるように抱きしめてくれる。
「史郁が、もう一度設計デザイン大賞を狙うのなら、応援する。たとえ仕事に史郁を取られて一緒にいる時間が減ったとしても、支えてやる。だけど、自分の自信を取り戻すためだけに狙うのなら、無理しなくていい」
「輝さん……」
「どうせ、これからも史郁は何かに悩みながら落ち込んで、どうにかそれを乗り越えながら生きていくんだ。何度賞を獲ったとしても、それは変わらないと思う。それならいっそ、悩むことを恐れずに、上手に悩みと付き合いながら生きていけばいいんじゃないか?」
「そんなこと、できる……?」
「俺が側にいれば、できる。俺が史郁を愛しているってわかっていれば、それだけで悩みのほとんどは解決だろ?」
「……あ、あれ?そうなの?」
「そうだ。俺を信じろ」
ぎゅーっと。
力いっぱい私を抱きしめる輝さんの体から、まるで私の中に力が注がれるように熱いものが注がれる。