極上の他人



女性からの好意的な視線を受けるたび、客商売ゆえの愛想の良い笑顔を浮かべ、そつなく女性をいい気分にさせる輝さん。

仕事だとわかってはいても、その姿を見るたび悲しくて、私のわがままともいえるお願い『お店に出ないで』を受け止めてくれたけれど、本来の彼は、人と接することが好きな社交的な人だ。

それにも関わらず私のために裏方として過ごしてくれた彼の気持ちと、私の願いに折り合いをつけた4号店。

『史郁の精神安定のお店』

と冗談交じりに言った輝さんの顔は、とても嬉しそうだった。

私の弱さのせいで輝さんに我慢をさせていたとわかってかなり落ち込んだけれど、輝さんにとっては大したことではなかったようで。

『史郁を悲しませてまでしたいことなんてない』

私をとことん幸せにしてくれる言葉をくれた。

< 447 / 460 >

この作品をシェア

pagetop