極上の他人



そして、できることなら4号店の設計は私が手がけたいと思っていたけれど、ひとりでそれを仕上げることに自信が持てなかった私は、店舗設計の経験が多い亜実さんにお願いしてみた。

けれど当時の亜実さんは大きなプロジェクトに参加していてそれだけで手一杯らしく、あっさり断られた。

普段から周囲への気配りを忘れず、『世話好きといえば亜実さん』と言われているのに。

あまりにあっさりと断られて驚いた。

すると、私の驚きを予想していたのか、にやりと口元を上げて。

『天下の相模恭汰にお願いしてあるからね。泣いて喜びなさーい』

と私の背中をぽんと叩いて大笑いをした。

笑うだけでなく、『半年以上前だけど、マカロンに食事に行った時に久しぶりに輝くんに会ったのよ。その時に4号店の設計の話になって、私はスケジュール的に無理だってわかっていたから、相模さんにお願いしてみたの』とあっけらかんと教えたくれた。

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