極上の他人
相変わらず震える手で私の頭や頬を撫でまわす輝さんは、徐々にその手を私のお腹に移して話しかける。
「きっと、この子のおかげで史郁は今まで以上に強くなれる。『設計デザイン大賞』なんて目じゃないくらいにな」
「え?私が強くなる?」
「そうだ、母は強しっていうだろ?きっと史郁も例外じゃない。子供を産んで、肝っ玉母ちゃんになって、何があっても家族を守っていくんだ」
「肝っ玉母ちゃん……」
「ああ。いいな、肝っ玉母ちゃん」
輝さんは、私のお腹を気遣うように、そっと私を抱き寄せて、大きく息を吐き出した。
私の背中をそろりそろりと撫でながら、何度も体を揺らしている。
嬉しくてたまらないようだ。
もちろん、私も嬉しくてたまらない。