ふわふわな恋。
窓側の一番後ろの席。
心地よい風に当たりながら生徒たちの存在を忘れてるかのようにくだらない話をしているカズと男子たちを、頬杖をつきながら見ていると前に座っていた女の子が振り返って話しかけてきた。
「名前なんていうの?」
そう言われたもんで、
慌てながらも
「柚木愛莉だよ!」
と答えると、女の子は瞬く間にぱあっと笑顔になりうなずいた。
「私、望月麻依(もちづき まい)!麻依って呼んで?」
と可愛らしい笑顔を向けた。
び、美人…。
そう、麻依は可愛いという言葉より美人という言葉の方がしっくりくる。
茶色の軽く巻いた髪の毛を胸辺りまで伸ばしていて、笑うと下がるまゆげ。
高い鼻に笑うと見える真っ白い歯に、八重歯とえくぼ。
身長も160センチくらいで手足は細長い。
あたしとは真逆だあ…。
「あ、あたしは愛莉って呼んでね!」
そう言うと麻依はにっこり笑った。
「聞いちゃった〜♪麻依ちゃんと愛莉ちゃんね♪」