秘密の言葉
放課後、下駄箱であることを思いついた私。

「水木君の下駄箱…」

そう、ただいま水木君の下駄箱を探しています。
水木君が存在しないとか言ってるんじゃないよ?
そうじゃなくて、1人ってのはやっぱり寂しいものだからさ、色々調べようと思って。

「…花、はやく帰ろう?」

…っ!
心臓が飛び跳ねた。
玄関には、待ちくたびれた様な水木君の姿。

「あっ、今いく!」

「花、さっきなにしてたの?」

「えっ、ちょっとね…」

「そっか。隠し事ってちょっと寂しいかも」

寂しい…か。
1番聞きたくなかった言葉かも。
でも、言ったら困るだろうし。

「私も、寂しいのかな…」

うん、結局は寂しいのは私なのかもしれない。
って!今日は、色々聞こうと思ったんだ…。

「花は寂しく無い、僕がいる。1人じゃないよ?」

「水木君は、何でこんなに優しくするの?もっと皆と仲良くすればいいのに…」

「こう言ったら変かもしれないけど、花だけでいいんだ。皆が嫌いなんじゃないけど、僕は花と仲良くしたいから、花と仲良くしてるんだ」

私と仲良くして、何になるんだろうか。
私は、何故私なのだろうか。
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