love
さすが斗真。
私の心を読んできたな。
「ピッキングお願いしまーす」
「おう。」
がちゃがちゃがちゃ・・・ただ今、斗真が屋上の入り口の南京錠をピッキング中。
がちゃ・・・・
「開いた」
「今日はちょっと遅かったね。」
「鍵が変わって手こずった」
なんて言いながらいつものように屋上に足を踏み入れた。
「最近よく来るよな。」
「そーだね。なんの話してるっけ?」
「てきとー」
そう。ここにきてはいつもくだらない話をして時間をつぶした。
私と斗真だけで。
「でさ、悠馬のことだけど、どうすんの?迷ってんだろ?」
「うん・・・」
あ・・・・
私は気づいてしまったんだ。
寂しそうに遠くを見つめる斗真に。