短編 星降る夜にまた逢いましょう
ハジマリの夜
星の降る夜に僕たちは出会った。

この出会いが、別れのときへのカウントダウンになっているなんて、このときはまだ、知る由もなかった。




僕は一人で星を見ていた。天体観測なんて洒落たものじゃない。

ただボーっと星を眺めることが好きなんだ。

星の光は、僕を引き寄せる。
不思議だけどこれはきっと引力のようなもの。
この感覚が好きなんだと常々思う。

ナルシストって言われるかもしれない。

だけど好きなものは好き。僕はそういう男だ。


私は星を眺めている。
さっきまでいた友達は、彼氏の家に行くと言って帰ってしまった。

一人で星を見るのも悪くない。
真っ暗な空なのにあんなにも綺麗に自分をアピールしてる。

何億年とかけて私に安らぎの光をくれる。
こんな星のようになれたらいいのに。

よくみると、色が違う星を見比べて好きな色の星を探す。
まだ理想の星はないけれど、きっとどこかにある。

そんな気がする。

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