旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
「ありがとうございました」

 笑顔で店を出ていく二人に深々と一礼する。

 暫くしてゆっくり頭をあげるとはぁっとため息が出た。

 いいな……好きな人とずっと一緒にいられるなんて……

 ぼんやりお客様が出ていったガラス張りのドアを見つめていると――。

「野田ちゃん」

 癖のある低い声で急に名前を呼ばれビクッと体が反応した。

「は、はい」

 慌てて声がした方に顔を向ける。

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