旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
「瑞希さんは……いい人出来ましたか?」

「……いえ、仕事が忙しくてそれ所ではありませんから」

「そうですか……」

 そう言う彼の声は、どこかホッとしたようにも聞こえた。

「……では、こちら箱にお入れします」

 これ以上彼と居るとおかしくなりそうだった。

 悲観や憎悪が私の頭の中を支配し始めてる――。

 あんなに聞きたかった彼の声も、その発せられる言葉は私にとって絶望にしかならない――。

 早くこの場を終わらせたい――彼から逃げたい!

 そう思うと、ジュエリーボックスに手を伸ばす。

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