旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
 次の日の朝――。

「おはよう」

 朝食を作っている彼女を後ろから抱き締めると驚いたのか、彼女の体がビクッとして俺を振り返った。

「あ、おはようございます。すみません集中してて気付かなくて」

「何作ってるんですか?」

 そう言うと、彼女の手元を見る。

 そこには色とりどりの野菜やお肉が詰められたお弁当があった。

 かなりボリュームがある事からして彼女のではないように思う。

 と、なると……。

「これ、俺のですか?」

 嬉しくて笑いながら聞くと彼女は苦笑いをした。

「すいません……。これ店長のなんです」

「……」

「ここずっと忙しくて、ご飯あまり食べてなくて栄養あるもの食べたいって言うので……」

 申し訳なさそうに彼女はそう言った。

「店長の奥さんに任せたらいいじゃないですか。なんで瑞希さんがそんな事するんですか?」

 少し不満げに言うと、彼女は困った様に笑う。

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