私と彼とダビデの関係
は… 隼世くん!なんでいるのっ
ビックリしすぎて動かないまま止まってしまっていると、隼世くんが中に入って来て、私の前にあるダビデ像をかがんで見つめる。
「 コイツとキスするつもりだったわけね… 」
う、それは冗談なんだけど…
「 まさか、しません!」
「 …いいんじゃね?しても 」
はっ!? いや、違うから、そこ間違えないで~
よりによって、好きな人にどもない勘違いをされて恥ずかしい思いをした私は完全にフラれた感でいっぱいになった。
「 あ!隼世いた、体育館行くぞ!」
隼世くんは、私の顔をチラリと見て、変な奴とでも言うように見て行ってしまった。
「 はぁーっ、緊張したぁ 」
へたりこんだ私は、ニンマリと笑みを浮かべた。
隼世くんと喋ったぁ!や~ 嬉しいっ
「 でも、ここに何しに来たんだろ?」
ま、いっかぁ おかげで隼世くんと話せたし。これはダビデ様のご利益だったりして?
掃除と片付けを済ませて、ダビデのご利益だと信じがたい事を勝手に思い、私の日課となっているある場所へと向かった。
キュッ、キュッとゴムがワックスのかかった床を急止する音が響く場所であり、重いボールを自在に操り宙を舞う場所、それは体育館。
あ、いた!隼世くんだ…
隼世くんはバスケ部のレギュラー、容姿端麗で隼世くん目当ての女子も多くいる。
私が隼世くんのボールさばきや、ダンクよりも、ゴール下からヒョイッと置くようにインする姿が何とも優しく丁寧でとても好きだ。
今日はあいにくの雨で、半分はバレー部が練習をしている。