私と彼とダビデの関係
バレー部を応援している者もいれば、私のようにバスケ部を応援している者との声が混じり合う中で、私は隼世くんだけを目で追っていた。
ドキドキしながら隼世くんだけを見ていた。
次から次へと女子たちがやって来ては一番前に出て見たい、応援したいとの気持ちで、私は押され 押されながら、なぜかバスケ部の方ではなくバレー部の方にまで押されてしまった。
壁を背にバスケ部を見て、隼世くんを目で追っていた私にはバレー部の様子やボールには目もくれずにいたせいで私の身にアクシデントが起きた。
隼世くんがゴールしたあと、一瞬… 目がパチリと合った。
「 …よけろっ!!」
え… なに言っ……
突然、私は体ごと、壁に叩きつけられるような衝撃に頭も打ち付け意識が飛んだ。
バレー部が、それたボールを追い私たち見学者のいる方へと来たため、たまたま私に体当たりとなってしまった。
意識のない私を誰が保健室へと運んだのかわからない。
ただ、私に 危険を伝えたのは隼世くんだったのは確かだ。
ズキッと痛みが私の意識を呼び起こし、ぼやける視界がゆっくりと広がり見覚えのある天井がある。
あれ… 私、寝てる?
「 痛っ… つっ… 」
「 大丈夫か?伊原 」
私は視界に入った人物の名を呼んだ。
「 隼、世くん?」
「 いや、違う… 俺、桂木だよ、ごめんな伊原 」
私はなぜ隼世くんだと思ったのか…
「 ううん、私がよそ見してたから… 気にしないで。」
「 送るから、待ってろよ。」
「 え… そんな、いいよ!大丈夫だから 」
「 ケガさせた責任くらい取らせろ、な? 待ってて!」
ええ~ 行っちゃった… 送ってもらうなんて…
「 花帆… 起きて、た!良かったぁどうかなったかと思ったじゃん!」
「 美岬、ごめん、大丈夫だから」
美岬はバレー部のマネージャーで私のクラスメイトでもあり、友達。