フェティシズム


「髭のない俺は」


「好き!」


振り返り貴方に抱き着き


「貴方の口髭が好き!唇が好き!瞳が好き!手が好き!例え髭がなくても貴方が…大好き」


ありったけの思いを込めて口づけを…


「お前は極上のワインだな」


「ワイン?」


「あぁ。芳醇な香りと味で俺をいつも酔わせる」


再び唇が重なる寸前


「違うよ」


「ん?」


「私が貴方に酔わされてるんだよ」


「俺の髭にか?」


「フフッ そうかも」


指で髭を辿り


「剃るの?」


「ん?剃らない。この髭はお前のもんだから」


漸く唇が重なり…


私は貴方に酔わされていく。


今夜も…


これからも…






*Fin*




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