れぷりか
「俺、見たんだよね。」
「何を?」
「図書室で、市村姉と一緒にいるところ。
でっ、お前と妹がいる所は何度かみた事はあったんだけど…姉とはさ、それが初めてだったわけ。」
「……」
「ちょ、だからコワイって」
そのじれったさに思わず眉間にしわがより、俺は無意識に彼を睨んでいたようだ。
だけど、それにもめげず…
「‥お前、気づいてないのかもしれないけど‥だいぶなんか、雰囲気違ってたからさ」
新がさらっと言ったその一言が
「………なん…で…べつに、普通だろ」
俺を一瞬、動揺させる。
「や、なんか変な話しさ
俺男なのにドキドキしてしまいまして‥」
「あぁお前、ゲイだったのか」
「はっ、んなわけねぇだろっ」
…でもさ、これまじ。
俺、一瞬お前が羨ましかったし。
好きな女の前だと、なんつーか…あんな優しい顔、みたいなさ
自然になるもんなんだなって。」
「…一瞬かよっ」
「あははっ、だって俺ドロドロは嫌だ。」
「お前…それを言ったらおしまいだろ」
そうやって
なんとか心情がばれまいようにと俺が冗談ぽく答えていると
新もははっと、呑気に笑った。