北条くんの日常

12月24日火曜日




当日。


アラームより早く飛び起きて厨房に向かった。

姉の分と合わせて二つ分スポンジを焼く。

仕込んでおいたチキンをローストする。

焼きあがったスポンジをきって姉の分には爽やかなチーズのクリームを塗ってシンプルに完成させ、すぐ箱にしまって冷蔵庫へいれた。


もう一つはイチゴのクリームとチーズのクリームを重ねて、二色でデコレーションした。砂糖で作ったサンタを乗せて。

「お、やってるやってる」

寝起きのままの姉が覗いてきて、ふむふむと頷いた。

「美味しそー、これあたしの?」

「違うよ、高梨の。姉貴のはもう冷蔵庫」

「へぇーみてみよー」

「あ、ダメダメ!食べる時のお楽しみ!」


うまく言いくるめてケーキから遠ざける。

「ちぇー」

背中をボリボリとかきながら、姉貴は準備する、といって厨房から出て行った。

< 59 / 96 >

この作品をシェア

pagetop