北条くんの日常
番外編:12月24日 another side


手に持っている箱の中のケーキが崩れないように、振動を抑えながらも足早に駅に向かう。


アイツも、結構やるじゃん。


彼女と手をつなぐ弟の様子を思い出して笑みがこぼれた。



「ごめん、遅れた」

「大丈夫、いつものことだし」

クールにそういうユウダイの様子に不安になる。

「ごめん、寒かったよね」

うつむいて言うと、ユウダイはあたしの手を握って、

「ナツキがあっためてくれるでしょ」

といって笑った。

なんだか照れ臭くなって、

「仕方ないなあ」

なんて言いながらも力強くその手を握り返した。

< 91 / 96 >

この作品をシェア

pagetop