北条くんの日常


駅の近くに止めてあった車に乗り込む。

黒い軽自動車。

買ってすぐ見せられた時に、ユウダイに似合わないねなんて言ったら、

俺もそう思ったんだ、と返ってきた。


「でも、俺とお前がのれればいいだろ」


真顔でそんなことを言うユウダイに、恥ずかしくなって軽くこづいた。



「俺ん家でいいよね?」


うん、と頷いて、ケーキを膝に抱えてシートベルトをしめた。

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