私はまだ、ガラスの靴を履く勇気がない。


「……は――」
 



溜息をつくと幸せが逃げるらしい。


でも…





「そんなことどーでもいいや」



中庭の一角。 


まだ入学式は続いている。



あのまま逃げてきてしまった私。



膝に顔を埋めて、また溜息をついた。







「…もう終わりだ……」










せっかく、せっかく…!高校で普通デビューのはずだったのに。
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