私はまだ、ガラスの靴を履く勇気がない。



「…可愛いよ。似合ってる」


「……っ」


「…なんで顔隠してんの?」


「……っ」


「なんで何も言わねぇの?」




「…えっと…」
 




ドキドキした。なんて、言えるわけない。
 


赤くなったから顔隠した、なんて、





「死んでも言えるか」


「……は?」


「…あ、」






何だこれ。何だこれ何だこれ。



自分の気持ちが、溢れた。



「――お、大神君」





「なに?」
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