私はまだ、ガラスの靴を履く勇気がない。



振り返る。



「……っ!」 



近い。






少し赤が混じった茶色の髪が、光を浴びてキラキラ輝いていた。



「ん?」






不思議そうな顔をする大神君。



私は大神君の目に釘付けになっていた。




「宝石みたい…」


「は?」






はっと我に返った時、私はもう遅すぎていることに気が付いた。





「ごっごめん!」




慌てて離れる。






また、顔が熱い。
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